小林正観さん講演会
2005年バンクーバー新報掲載原稿
2005年6月、故・小林正観さんがカナダ・BC州バーナビー市の日系センターで講演会をされた際のレポート記事です。
ご講演の3時間は私の一生の中でもっとも連続して笑い続けた時間でした。「感謝の不思議な力」を語り続けてくださった小林正観さんは私にとって特別な存在です。
バンクーバー新報の古いレポート記事はもうネットに上がっていないため、こちらでご紹介します。
小林正観講演会
笑いのなかで
人生の実践哲学を学んだ
6月12日(日)午後、バーナビーの日系ヘリテージセンターにて小林正観(こばやしせいかん) 氏による「お金と仕事の宇宙構造」と題した講演会が行われた。
小林氏は学生時代から関心を 抱いた超常現象の探求を、旅行業作家として働きながらも継続。
その過程で小林氏は、人の生き方にかかわる多数の宇宙法則を知り得た。
旅の先々では、小林氏を待ち受けて人生相談を行う人、話を聞く人が増え続け、やがて有志が会場を借りて氏に講演を依頼するようになった。
現在小林氏は全国各地からの依頼を受けて年間300回もの講演活動をこなしている。
今回の 講演会は、日本で小林氏の講演を聞く機会を得たバンクーバー在住の有志が、ぜひ当地の人々にも小林氏の話を聞く機会をと企画したもの。有志の人々は昨年からバザーなどで資金集めを行い、参加費無料での本講演会を実現させた。
当日会場に集まった人は約300人。そのうち36名は小林氏と共にカナダに行くことを希望した 日本からのファンの人々だった。
講演で小林氏は、ユーモアによる笑いで会場を包みこみなが ら人生哲学を伝えていった。
講演後、会場に用意された数十冊の著書は完売。
会場を出て行く参加者の表情には、宇宙を味方につけて生きる秘訣を学んだ喜びと充実感が満ちていた。
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小林氏は学生時代に所属した精神科学研究会で超常現象や超能力の研究を始めた。
そこで扱った飛行機に関する事件を氏は紹介した。
1989年、ブラジルのポートアレグレ空港に管制 塔の指示を無視して1機の飛行機が着陸した。
だが機体に乗っていた機長を始め乗客乗員93名はすべて白骨だった。
そしてその機体は35年前にドイツを飛び立って以後行方不明となっていたことが判明した。
さらに同年ロシアでも、1機の戦闘機が数年を経て着陸し、乗っていたパイロットは白骨だったという事件が起こった。
こうした事件に納得の行く説明はどこからも得られなかった。
小林氏は大学時代、学生運動を経験しており、現在も「事実を事実としてしか認めない唯物論の人間である」と自らを語る。
そこには徹底して実証的に物事を見ていく姿勢がある。
その「バリバリ唯物論」小林氏に、例に挙げた飛行機事件、そして数多くの現象がもたらした結論は「私た ちから見えている世界の向こうに、三・五次元、四次元という世界が存在し、そこにとてつもなく 大きな知性体、あるいは大きな意志・知恵・力《神と呼び得るもの》が存在するようだ」というこ とだった。
その状況を氏はアリと人間を引き合いに出して説明する。
「人間がアリをつまみあげて三メートル先にぽとっと落とすと、アリはいきなり自分の世界が変わったので『ありっ?』と思ってしまう。
アリはいったい自分が何をされたのかわからない」。
アリに対する人間の大きさは約百倍。
それに対して巨大な知性体は人間の千倍どころか10の68乗の大きさ(無量大数)ほども違うらしいと小林氏は語る。
その巨大な存在のなせる業を、氏は日常の「ついている」出来事の例を挙げて説明する。
肝心な時に自分のいる場所の天気が晴れる、商店でお金を払うときに商品の金額と財布にある小銭の金額が一致する、バスに乗ろうとすると必ずすぐバスが来る等々。
実はそうした日常現象に、超常現象がつまっているのだという。
話は人間の体の形態・体質・病気に表れるその人の気質に及んだ。
「眉毛が濃い人、指が短い人は働き者」といった体の法則が次々と面白おかしく伝えられた。
その後、自分の普段発する言葉が自分の体を作っていることを、女性器官が病気の場合を例に挙げて紹介。
「女になんか生まれなければよかった」と言っていると「そんなにつらいなら女をやめよう」とする力が働くのだ という。
つまり、目の前の現象に否定的な言葉を発していると、その否定的な事実が結果に現れるようにセットされ、逆に肯定的な言葉「うれしい・楽しい・幸せ・大好き・ありがとう・愛してる・ツイテル」を言っていると、そうした現象がますます目の前に現れるようになるのだという。
さらに氏は太らない魔法の言葉、夫婦喧嘩をしない方法を紹介し、参加者全員で喧嘩を売られたときの受け答えの実践練習も行い、会場はますます盛り上がった。
小林氏は20代初期から35年間で通算10万件の人生相談を持ちかけられてきた。
その経験のなかで顔と相談事の関係、個人の過去、現在、未来、死期がわかりだし、それが悉く当たっていたことから「未来が確定的に存在する」と認識するに至った。
これまで自分で選択してきたと思っていたことも、今日この講演会に来ることも「すべて決まっていたこと」と氏は語る。
さらに語りは生きることの本質に迫った。
「戦うこと争うこと抜きん出ることを自分の人生からやめましょう。人の力や肉体は喜ばれるためにもらったのであって努力目標を達成するためではありません。
人の為と書いて偽りと言います。
人のためは良くない“It’s ワリー”。
人は自分の喜びのために生きているのです」。
喜びを味わうために実践する事は「頼まれ事をやって『ありがとう』と言われること。現象に対する評価・論評・分析をやめ、頼まれた事は時間があればたんたんとやること」であるという。
それには頼まれやすい人になることが肝要で「頼まれないのは顔が悪い」ため。
そこで頼みやすい顔を作るための方法論が語られた。
肯定的な言葉を言っていると「いい顔」になるらしい。
休憩をはさんでの後半、「一生お金に困らない方法が知りたいですか?」と今回のテーマ「お金と仕事の宇宙構造」に話は突入。
そのお金に困らない方法とは「トイレ掃除」であった。
15年ほど前、あるアメリカの大富豪が十年間、何億という費用をかけて人を雇い「1.不老不死の薬 はあるか」「2.金持ちが金持ちで居続けられる法則はあるか」「3.貧乏人が金持ちになれる法 則があるか」を調べさせたという。
調査員が調べ回った結果、1の不老不死の薬はないことがわ かった。また2、3も方法はわからなかったが、お金持ちの家に共通していたことが一つ報告さ れた。それは「トイレの蓋が閉まっていた・トイレがきれいだった」というものであった。
小林正観氏からこの話を聞いた22人の主婦が、トイレをきれいにして蓋を閉めることを実践したところ、実践を始めてからニヶ月間で22人すべてが4万円から30万円の臨時収入を得たという。
トイレ掃除の実践と臨時収入の関係の背景理由は、小林氏にも明確にはわからない。
だが理解しやすい例えとして、小林氏は自分自身をサポートする目に見えない存在から得た解説を紹介した。
トイレ掃除の実践を開始する人のなかからは「半年行っても何の収入も ないではないか」と言う人が現れるものだが、それは半年後に不満を言うことを最初から神は知っているため。
「不平不満を言っている人には、神様が味方につかない」という法則によるものと説明された。
現状に不満を言いがちな人は、天気の悪口を言うところからやめると良いと氏は語る。
また「お金は入る方に目を向けず、どう出すかを考えること」と共に、お金を人のように見立てて 「お金がいやがること」をしないで「お金に喜ばれるように使うこと」が大切と語り、その具体的方法が紹介された。
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「この世には幸せな出来事も不幸な出来事もない、そう思う心があるだけ」と小林氏は語る。
物事をゼロとしてとらえ、自分の置かれている状況に感謝の心をもち、素直で謙虚に行動する人に宇宙は最大のサポートをしてくれるーーそうした宇宙構造を、長生きの秘訣である笑いを喚起しながら解説してくれた小林正観氏の語りに会場から大きな拍手が贈られ、講演会は幕を閉 じた。
小林正観氏プロフィール
1948年東京深川生まれ。中央大学法学部卒。旅行作家。アメリカの大学より心理学博士の称号を受ける。コンセプター(基本概念提供者)として「ものづくり」「人づくり」等にかかわっている。
『宇宙が味方の見方道』他、著書多数。http://www.skpskp.com
(取材 平野香利)
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=ここまでが新報掲載原稿です。=
講演前に正観さんから15分のお時間をいただいてインタビューを行い、三つの質問をしました。
その一つが「すべてのことはあらかじめ決まっている」という正観さんの宇宙法則の理解への質問です。
私:「すべて決まっているということは、私がお店で焼きそばを注文するか、うどんを注文するかも決まっているということですか?」
正観さん:「物事に大きい小さいは存在しません」
この回答にやられちゃいました。
どんなに“小さな”と思う出来事も、そのピースなしに次の展開はあり得ない。
普段何気なく思ったり行動したりしているひとつひとつのこと。
それがひとつひとつ等価である。
とてつもないことが、この一言に含まれていますよね。
考えていたあとの二つの質問。
確かお尋ねしたはずなのですが、この回答に圧倒されて記憶から飛んでいます……。